公益信託 農林中央金庫 森林再生基金事業 (農中森力基金)
林道研究発表会において優秀賞を受賞しました! 当組合では平成24年に続き、平成27年も「公益信託 農林中央金庫 森林再生基金(農中森力基金)」に採択されました。
事業地である高知県南国市黒滝地区は、明治45年に県内初の森林組合が発足した歴史ある地域にあり、篤林家による熱心な森林施業が実施されてきました。その結果、蓄積量は県平均337m3に対して431m3で1.3倍、作業道密度に至っては県平均15mに対し69mで4.6倍となっています。しかし路網は高密度ながら、ほとんどが従来の小型林業機械に対応した急勾配、急カーブとなっているため、当組合で現在主流となっている大型高性能林業機械による効率的施業が困難で、間伐遅れの林分が多くなっています。
今回、森力基金事業を採択いただき、311haの事業地を対象に、新たな発想と手法で路網を改良し大型高性能林業機械による低コスト施業と、大型トラック直送体制による輸送コストの低減の可能性を実証することとしました。
当組合では高密度の路網を自動車道2級規格に改良した経験がないため、高知県や高知大学等の専門家を交えた路網改良検討委員会を設置しました。特に急勾配・急カーブの改良については、林道設計で実績のある高知県山林協会に測量設計を委託し、現地で森林所有者も含めた検討会により協議し、事業を進めました。
現況法面の切盛土による作業道幅員の拡幅(本線3.5m・支線3.0m)
ヘアピンカーブの拡幅、勾配の緩和
補強盛土新工法「ジオパックミニ」の試験施工
谷部通過構造
(拡幅の後に既設φ100のコンクリート管からφ150の強化金属樹脂複合管に改良)
路盤工(丸太 現地採取土石)
メンテナンスフリー横断溝(鉄板 丸太流路)
作業道改良後の事業地でタワーヤーダを導入した場合、事業地内での小運搬が不要となるため、
生産性は6.64m3/人日と最も高くなりました。
作業道改良後は10tトラックの進入が可能となり、運材コストを最大60%下げることができました。