森林・林業再生プラン実践事業
フォレスター研修風景
2009年、国は約20%に落ち込んだ木材の“自給率を50%以上”に引き上げようと、森林・林業再生プランを策定しました。
戦後の拡大造林で植えた木々が成熟し、伐採の時期を迎えました。この豊かな資源を活用するため、以降の10年は、路網整備、施業の集約化、そして人材育成を3本の柱に事業展開を図ることにしました。
コストダウン=効率よく伐り出す!
この計画を進めるにあたって国は、モデル地区を指定しました。2010年、香美森林組合は物部森林組合とともに、この実践事業に応募し、全国5地区のひとつに選ばれました。その内容は、先進林業機械導入・改良事業でした。
ヨーロッパ、特に北欧は林業の先進国です。早くから林業機械の開発に取り組み、量に対応できる態勢を整備してきました。伐採・搬出はもちろん、製材部門は日本には見られない巨大な工場が稼動しています。
この海外の優秀な機械を導入し、作業効率を上げよう!
ですが、比較的地形がなだらかなヨーロッパに対して、日本、中でも高知県の山は急峻です。当然、機械の改良が必要になります。当初、職員の中には「欧州の大型機械はウチの山には無理」と考える者もいました。
タワーヤーダ
2010年春、ヨーロッパから森林官(フォレスター)が香北・物部に来てくれました。作業道の開設や間伐方法などの指導を受けました。森林官は皆さん熱心でした。熱のこもった研修となりました。続いて、職員を欧州に派遣し、現地で先進林業の実際に触れました。学ぶことが多かった、といえます。現地研修を踏まえ、導入機種を決めました。牽引式タワーヤーダ・ウインチ付きトラクタ。この架線系林業機械を活かすため、基幹的なトラック道として強固で崩れない道づくりが必要となります。
タワーヤーダとトラクターのセット導入!
集材距離が伸び、随分と作業効率が上がりました。今では大きな戦力になっています。先進林業との出会いで、組合はワンステップ上がる素地が出来ました。
国の大きな支援の賜物でした。
トップページの動画は、2010年の欧州フォレスター来高の様子です。