香美市土佐山田町繁藤に所在する秋の谷工業団地を香美市よりお借りして、繁藤ストックヤードを計画し、平成27年3月に操業を開始いたしました。
当施設は国道32号線に近く近隣山林からのアクセスが良好であり、これまで香美市内・南国市内から高知県森林組合連合会嶺北共販所への出材を行っていた山林からの木材を集めることで、木材輸送コストの低減を図ります。
また、県内外の製材工場だけでなく、高知県森林組合連合会が木材供給の役割を担っている、高知おおとよ製材並びに土佐グリーンパワーへ木材を安定的に出荷することで、両工場の安定的稼働をサポートするとともに、系統組合としての責務を果たすことを目指します。
育林の基本は、山行苗木の植付けから始まります。作業は適期に適切な管理がかかせないため、幅広い林業の知識が必要です。作業をおこなう山林は急峻な傾斜地が多く、真夏の下刈・除伐・間伐作業は、体力だけでなく育林の知識が求められる大変重要な作業です。
こうした事業には国や県の補助金が交付されるため、現地の山林調査をおこなったうえで、専門知識を持った組合職員と技術員による施業の見積りと提案を所有者におこなって集約化施業に努めています。
造林事業を経て生育した概ね30年生以上の山林での収入間伐作業や、立木すべてを伐採する皆伐作業をおこなっています。チェーンソーで伐倒した立木を各種の高性能林業機械で搬出し、プロセッサーで玉切りをおこないます。その後、トラックで市場まで輸送して販売するまでが林産事業です。
現在では収入間伐事業が多くなり、皆伐事業は減少しています。収入間伐は一定の条件に応じた山林でないと収入の確保が困難なため、作業道の開設と機械化により事業経費の削減に努めています。造林事業と同様に施業の見積りと提案をおこない、施業団地関係者の合意形成に努めるとともに、集約化施業による効率のよい間伐をおこなっています。
作業道の整備は森林施業の合理化、効率化を目指す上で欠かせません。山林所有者である組合員からも、今後成長が見込まれる山林の間伐等に必要な施設として多くの要望が寄せられています。 当組合では、作業道を森林・林業再生の生命線として位置づけ、年間46,000m以上を開設しています。今後も組合員の要望に応じて開設し、作業道周辺での利用間伐の推進を目指します。
地籍調査とは、国土調査法に基づく「国土調査」のひとつで、一筆(一区画)ごとに境界の位置と面積を測量するものです。
当組合では当時の中四国地方では最も早い平成12年度より旧香北町の委託を受けて継続実施しており、山林所有者とともに現地に入り、境界確定作業をおこなっています。
近年の木材価格の低迷や過疎化・高齢化により、山林の境界確定が困難になりつつあります。当事業をおこなうことで、林業経営に必要な境界や実測面積が確定するため、組合の各種事業の推進に大きな効果と省力化をもたらしています。